Love in a mirror
鏡に映った彼の姿。
その姿は自分でもあり彼でもある。
鏡に向かって『愛してる』と囁けない自分がどうしようもなく臆病者に思えた。
奪うことに慣れたココロは、どうしようもなく貪欲で。
与える事に嫌悪して、与えられることを当然だと感じて。
麻痺した感覚は次第に奪うことに快楽を見出し、歪んだオモヒがカラダを支配する。
そのままずっと奪えれば良かったのだ。何もかも。
躯は奪えても精神は奪えない―――誰が言った言葉だろうか。
のたまった人物は、その言葉が半分正解で半分間違いだということに気付いているのだろうか?
すべてはそれぞれの定義によって変わる。
操を奪うことがイコォル躯を奪うことになるのか、それとも傀儡のように操ることをいうのか…、もしくはその生命を絶つこのなのか。
考えはくるくると頭の中を回り、混乱を生む。
――――結局。
躯も完全に奪えない。
一方方向から見れば奪ったように見えるかも知れないが、多面鏡のようなものに映してみればすべて奪ったとは言いがたい。
精神が奪えないのなら、躯だけでも完全に奪いたかったのに。
自分には彼に永遠に消えない傷を残すことしか出来ないのだろうか?
行き過ぎたオモイは傷痕としてしか残らないのだろうか?
「奪えないのなら、自分のものに出来なければ壊すしかないのかなぁ?」
鏡に映る愛は何も応えてはくれない。
ただ怜悧に輝きを返すだけ。
壊すことしかできない存在に成り果てた、自分がどうしようもなく醜く見える。
いくら姿を変えようともそれは消えない。
「ねぇ…君は、僕のものになってはくれないよねぇ?」
問いは、鏡のもつ暗闇に吸い込まれて消えた。
アンコロ文?…いやなんとなくです(汗
別バージョンもあります…15斤ですが。